大正琴協会の設立と琴修会組織

 文部科学省(旧文部省)は1990年に“生涯学習社会”の促進を始め、琴修会創立者故岩間芳一他4名の大正琴流会派創立者は社団法人大正琴協会を設立に導き、1993年(平成5年)に旧文部省により設立許可を受けました。          
 現在、日本では大正琴学習は“生涯学習”(社会教育)の代表の一つになっています。1993年(平成5年)に琴修会は指導法を改良し、2000年(平成12年)には演奏がよりしやすいようにピアノ型鍵盤メカニズムを開発しました。即ち、ピアノのように同じ幅の鍵盤です。(※6)ピアノ型鍵盤の大正琴は演奏を容易にし、早いテンポの演奏を可能としました。ピックアップマイク付の大正琴(電気大正琴)は強弱やロングトーンと音楽的表現を豊にしました、さらにエレキギターのエフェクターを使用した音色づくりも可能となりました。ローランド社製の音楽シーケンサー“ミュージックプレーヤー”の採用で指導システムを改良し、生徒の学習進捗状況を著しく向上させました。ミュージックプレーヤーは自宅での練習を増やしました。(※13)指導者の表現豊かなアンサンブル演奏は聴衆に素晴らしい印象を与えました。


※13.指導者のアンサンブル演奏    

 私たち大正琴団体“琴修会”は創立して30年以上が経過しています。現在と当時とを比較すると人々の大正琴の理解と印象はとても変わりました。20年ほど前までに大正琴を習った多くの人達は大正琴はギター、マンドリンやバイオリンのような楽器よりも劣っているとみなしていました。したがって友達に(大正琴を)習っているという事実を話したがりませんでした。反して現在の大正琴愛好家は大正琴学習を自慢し、友達に一緒に大正琴を習うように勧めています。

 日本はすでに超高齢化社会を迎えています。地域共同体は一人暮らしの高齢者の支援をしています。大正琴愛好家は平均して65歳を超えていますが、とても健康で“アクティブシニア”と呼ばれています。ボランティア活動への参加に熱心です。例えば、高齢者の為のケアホームで慰問演奏や地域共同社会でのイベントで演奏をしています。大正琴学習とグループでの演奏はボケを防ぐと愛好者は言っています。それは目、耳、両手を使って大正琴演奏に集中を必要とし、さらに学習後も仲間との交際を楽しんでいるからです。よくお互いに旅行に行ったり食事に行ったりしています。大正琴を通じてとても実りの多い生活をしており、人生の居場所を見つけているのです。

琴修会は3つの理念のもと、生涯学習活動の一環としてこうした社会貢献活動を積極的に推進しています。

琴修会の理念
1.音楽を中心に豊かな生活を実現する。
2.音楽性を重要視する。
3.地域文化の向上に参加する。

理念の実現としてのキーワード

“生涯学習”

 繰り返しとなりますが、ほとんどの大正琴愛好家は大正琴の活動はボケ防止に役立つと言っています。(※14)演奏者として演奏会に参加し演奏することや大正琴の仲間との会話は脳を刺激し、ボケを防いでいると言っています。具体的には譜面の数字を見て音楽的意味を即理解し、リズムに合わせて譜面に書いてある指定左指にて同じ番号の鍵盤を押さえ、右手で弦を弾くことは意識の集中を必要とし、“この集中が高齢者の脳を活性化させるに違いない”と言われています。大正琴はボケ防止に良いとの医学的証明はありません。医学的証明がないにも拘らず、多くの学習者は経験から大正琴活動はボケが進むことを防ぐと信じています。いつか、誰かが大正琴学習はボケ防止に役立つことの医学的証明をして下さることを望んでいます。


※14.大正琴愛好者の演奏会

 2005年の4月に名古屋市のオアシス21で1,034名による大正琴演奏者の参加で「最も多くの大正琴アンサンブル演奏者グループ」として初めて(※15)ギネス世界記録を樹立しました。大正琴愛好家に生き甲斐の一つを示しています。“私たちは大正琴で最初のギネス世界記録保持者です。”(2008年4月11日まで保持)

 
※15.ギネス世界記録挑戦&認定証